上級 膝 骨折後 リハビリテーション
前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)、内側側副靭帯(MCL)、外側側副靭帯(LCL)を対象とした、骨折後の膝損傷のための15週間の上級者向けリハビリテーションプログラム。
効果的な回復と疼痛管理を目的とした専門的なリハビリテーションプログラム
要点一覧
- 検査部位
- 下肢 · 膝
- 傷害の種類
- 骨折後
- レベル
- 上級
- 期間
- 15
- 週あたりのセッション数
- 3
- セッションあたりの分数
- 60
- エビデンスレベル
- 中等度
- ICD-10
- S83
- コスト層
- high
プログラムの概要 これは、膝の骨折に加えて、膝を安定させる靱帯であるACL、PCL、MCL、LCLにも損傷がある方を対象とした、15週間の高度な膝リハビリテーションプログラムです。水中運動、指導のもとで行う筋力トレーニング、バランストレーニング、定期的な客観的検査を組み合わせています。週3回、1回約60分行い、初期の保護段階から高度なリハビリテーションまで、2つの監督下の段階を進めていきます。
このプログラムの対象となる方と目標 このプログラムは、膝の骨折の初期治癒段階を過ぎ、全身の機能を十分に回復させるために、計画的でより高度なリハビリテーションに取り組む準備ができている方を対象としています。目標は、膝の動きを完全に取り戻すこと、太ももとハムストリングの筋力を回復させること、バランスと関節の位置感覚を再訓練すること、そして体重をかける量を安全に増やしていくことです。高度な負荷がすべての方に、またすべての段階で適しているとは限らないため、開始前に担当医療者が参加条件を満たしているか確認します。
開始前に 初回のセッションを始める前に、この計画について担当医師または理学療法士に相談してください。水中療法を行うためのプール、フォームローラー、足首用サポーター、さらに血流制限トレーニングや等速性筋力検査などの専門的な技術を受けるための監督体制が必要です。サポーターが正しく装着されていること、また体重をどの程度かけてよいかを理解していることを確認してください。担当医療者から、骨折と靱帯の状態上、筋力トレーニングの段階的な強化を始めてもよいと確認されるまでは、開始しないでください。
安全上の注意と中止すべき場合 血栓(深部静脈血栓症:DVT)のリスクがあるため、新たなふくらはぎの痛み、腫れ、熱感、赤みがあれば、すぐに報告してください。指示を受けずに、その部分をマッサージしたり強く圧迫したりしないでください。痛みが事前に決めた許容範囲を超えた場合、腫れが明らかに増えた場合、膝が崩れるように感じる場合、息苦しさや胸の痛みがある場合は、運動を中止して担当医療者に連絡してください。すべての運動中、背骨は自然な位置に保ってください。これらはパニックになるためではなく、安全のために重要な注意事項です。
週間スケジュール 各週、約60分のセッションを3回行い、その間には休養日を設けます。軟部組織のケアにはフォームローラーを使い、指示された場合は足首用サポーターを使用します。また、初期の荷重練習や関節可動域訓練のためにプールを利用します。計画は、第I期(急性期の保護、約1~3週)と、第II期(早期リハビリテーション、4週頃から開始)に分かれており、その後の週では、担当医療者の指示のもとでこれらの基礎を発展させていきます。
15週間の進め方 このプログラムは、階段を一段ずつ上るようなものだと考えてください。初期段階では、治癒中の膝を保護し、腫れを減らし、膝をまっすぐに伸ばせるようにし、穏やかな動きと部分的な荷重を始めます。これらは、プールの中で行うことが多いです。明確な確認項目を満たしたら、次の段階へ進みます。そこでは、全荷重、太ももとハムストリングのより強いコントロール、片脚立ちのバランス、より負荷の高い筋力トレーニングに取り組みます。各段階に進んでよいかは、担当医療者が判断します。
一般的なセッションの流れ 通常のセッションは、ウォームアップ、メインの運動、クールダウンの順に行います。膝を温めるために、まず軽い水中歩行やエアロバイクから始め、その後、周囲の筋肉にフォームローラーをやさしく使うことがあります。メインの運動には、指導のもとで行う筋力トレーニング、バランスと協調性の練習、固有感覚(関節の位置を感じる感覚)の訓練が含まれます。膝蓋腱への負担を減らすために、カウンターフォース型のサポーターを使うこともあります。クールダウンでは、やさしいストレッチと腫れの確認を行います。
ウォームアップ、メインの運動、クールダウン ウォームアップでは、水中歩行や自転車こぎなど、関節への負担が少ない運動で関節を準備します。メインの運動では、太ももとハムストリングの段階的な筋力強化、バランスと関節の位置感覚のトレーニング、担当医療者の監督下での動作練習を組み合わせます。血流制限トレーニングと等速性筋力検査は、専門家の指導がある場合にのみ行います。クールダウンでは、やさしい関節可動域訓練、周囲の筋肉への軽いフォームローリング(骨折部位や腫れている部分は避けます)、必要に応じて膝を高くして休むことを行います。
進み具合の確認 担当医療者は、Lysholmスケール、IKDC質問票、KOOS、Tegner活動性スケール、片脚ホップテスト、大腿四頭筋筋力指数など、標準化された膝の質問票や身体機能検査を使って進み具合を確認します。これらにより、日々の感覚だけでは分からない膝の回復状況を客観的に把握できます。診察の間に、痛み、腫れ、行った運動を簡単に記録しておくと、変化の傾向を早めに見つけるのに役立ちます。
段階を進める基準の使い方 次の段階へ進むのは、担当医療者が設定した確認項目を満たした場合だけです。たとえば、膝がより深く曲げられるようになること、腫れが減ること、太ももの筋肉がよりしっかり働くこと、靱帯の検査で安定していることなどが含まれます。これらは一人ひとりに合わせた目標であり、自分だけで追いかける固定の数値ではありません。実際に改善しているかを確認し、プログラムを調整するため、定期的に評価を繰り返します。そのため、努力したことも症状も、正直に伝えることが大切です。
回復とセルフケア 回復はセッションの合間にも進みます。睡眠、バランスのよい食事、水分補給を大切にし、腫れに対する冷却や挙上については担当医療者の指示に従ってください。足首用サポーターは指示どおりに使い、勧められている場合は、休養日にも膝をやさしく動かしてください。無理をせず、自分のペースを守りましょう。疲労を押して頑張るより、無理なく継続することのほうが大切です。症状に変化があっても、自分でプログラムを変更せず、次回の診察で報告してください。
痛みの対処と注意すべき症状 運動中に多少の不快感が出ることはありますが、痛みが徐々に強くなる場合や、運動後も続く場合は中止してください。血栓のリスクがあるため、突然のふくらはぎの腫れや痛みを決して放置しないでください。胸の痛みや息苦しさがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。骨折部位や腫れている部分を強くストレッチしたり、フォームローラーを強く当てたりしないでください。膝に刺激や違和感があるときは休み、計画を変更または一時中止するかどうかは担当医療者に判断してもらってください。
回復フェーズ
伏臥位ハンギングテストによる完全膝伸展達成(脛骨プラトー状態確認),内側関節裂隙で測定した膝腫脹 2cm未満,徒手筋力テストでの大腿四頭筋賦活化スコア 3/5以上,膝蓋骨上方/下方滑り50%以上,内側/外側側副靭帯ストレステスト 0度での内反/外反に安定,氷とモダリティ使用で安静時痛 3/10以下
→ 次の段階へ: 第二相 - 初期リハビリテーション
無痛での膝ROM 屈曲0-45度達成, 보조器具を使用して体重の25%までの荷重耐容,大殿筋収縮随意的にラグなし,半月板変位テスト ロック陰性,優しい固定式自転車で軟骨負荷耐久確認,膝蓋腱の感的興奮性解消
→ 次の段階へ: 第二相 - 初期リハビリテーション
最小限の関節貯留での膝ROM 屈曲0-75度,大腿四頭筋筋力3+/5 MMT以上,体重の50%への加重進捗,歩行中のACL/PCLグラフト完全性維持,30度での外反ストレスでMCL治癒段階確認,機能的ブレース適合完了
→ 次の段階へ: 第二相 - 初期リハビリテーション
膝ROM 0-90°屈曲,正常化された歩行パターンでの完全加重,伸展ラグなしでの大腿四頭筋筋力 4-/5以上,ハムストリング筋力 3+/5以上,代償なく30秒以上の片脚立位,膝蓋骨Tracking評価 - 内側/外側偏位なし
→ 次の段階へ: 第二相 - 初期リハビリテーション
膝ROM 0-110°屈曲,等速性テストで大腿四頭筋筋力4/5,ハムストリング/大腿四頭筋比 50%超,外反崩壊なしの45°膝屈曲での片脚スクワット,患側肢でのバランス指数 30%未満,関節裂隙圧痛解消
→ 次の段階へ: 第III相 - 中期リハビリテーション
膝ROM:屈曲0-120°,補助具なしでの完全免荷,大腿四頭筋ピークトルク 対側の50%超,他動運動検出の固有受容覚閾値 5度未満,軟骨負荷耐久 15分固定式自転車,外旋テストでのLCL/後外側角安定性確認
→ 次の段階へ: 第III相 - 中期リハビリテーション
膝ROM 0-125°屈曲,大腿四頭筋筋力 4+/5以上,ハムストリング筋力 4/5以上,片脚プレス 体重の50% × 10レップス,膝関節屈曲90度までの前方ランジ能力,半月板機能温存 - マックマリー検査陰性
→ 次の段階へ: 第III相 - 中期リハビリテーション
膝ROM 屈曲0-130度,大腿四頭筋ピークトルク 対側の60%超,ホップテスト距離 対側の50%超,内転筋長筋/半月板カップリングのコペンハーゲンテスト陰性,スクワット進行のための膝蓋腱負荷耐久,開運動連鎖での脛大腿関節運動学的正常性
→ 次の段階へ: 第III相 - 中期リハビリテーション
完全な膝ROM達成(0-135度),大腿四頭筋筋力 対側の80%以上,ハムストリング筋力 対側の75%以上,片脚跳躍距離が健側の60%超,側方ステップダウンテスト 3 compensations未満,対側とのACL/PCL弛緩測定、2mm以内
→ 次の段階へ: 第四相 - 後期リハビリテーション
クロスホップテスト、対側の65%以上,Triple hop test > 65% contralateral,6分間歩行テスト、基準値の10%以内,膝屈筋筋力持久力、70%1RMで10回,荷重屈曲時の膝蓋大腿関節Crpitusなし,運動課題中の大腿骨/脛骨アライメント維持
→ 次の段階へ: 第四相 - 後期リハビリテーション
大腿四頭筋筋力 > 対側の85%,アジリティラダーの耐容、膝外反なし,30cmからの片脚着地、膝外反<15°,50%速度でのカットドリル、疼痛なし,大腿膝蓋関節反作用力<体重の2倍,応力試験でMCL/LCL終点が硬く感じられる
→ 次の段階へ: 第四相 - 後期リハビリテーション
等速性大腿四頭筋ピークトルク(60°/秒)対側の90%以上,ハムストリング/大腿四頭筋比60%以上,片足ホップ(タイム) 欠損率10%未満,80%速度への走行進捗,予測不能なカットドリルへの耐容,半月板応力テスト陰性(疼痛・クリックなし)
→ 次の段階へ: 第四相 - 後期リハビリテーション
歩行異常のない全速力走行,100%速度での方向変換,片脚ドロップジャンプ着地、接地時間<20ms,プライオメトリクスに対する膝蓋腱荷重耐容性,走行インパクトへの軟骨負荷進捗,回旋時のLCL/PLC動的安定性
→ 次の段階へ: 段階V - 活動復帰
全負荷でのスポーツpecific drills,Knee Outcome Surveyスコア85%以上,ホップテストバッテリー、対側の85%以上,大腿四頭筋指数、対側の90%以上,高インパクトで膝蓋大腿関節症状なし,主観的膝機能85/100以上
→ 次の段階へ: 段階V - 活動復帰
スポーツ参加完全復帰許可,Lysholmスコア90点以上,IKDC主観的膝評価85以上,Tegner Activity Scale injury前しベルへの復帰,KT-1000でのACL/PCLグラフト弛緩増加なし<3mm,包括的膝診察安定
→ 次の段階へ: スポーツ復帰許可
活動復帰のマイルストーン
基本ADLが無痛
第 4 週荷重耐久性が前回のベースラインから≥25%増加
軽度の機能活動と而起調整
第 6 週手すりなしで交互パターンの4段階段の昇降可能
中等度の活動とスポーツpecificConditioning
第 9 週荷重機能活動中および活動後の疼痛≤3/10
スポーツ、仕事、レクリエーションへの完全復帰
第 15 週手すりなしで交互パターンの4段階段の昇降可能
注意事項
- 痛みが増したら中止する
- ニュートラルスパインを保つ
禁忌
- 深部静脈血栓症リスク
疼痛管理
- 冷却療法+圧迫(15-20分、1日3-4回)
- 処方に基づく非ステロイド性抗炎症薬の投与
- 内側регионによる大腿膝蓋関節モビライゼーション
- 大腿四頭筋、ハムストリング、腸脛靭帯への軟部組織モビライゼーション
- 大腿四頭筋への神経筋電気刺激
装置とモダリティ
よくある質問
予定どおりに、各段階を必ず進める状態になれますか? ~ 回答
セッションの後に膝が腫れるのは普通ですか? ~ 回答 活動量が増えると、軽く一時的に腫れることはありますが、休んだり膝を高くしたりすると落ち着くはずです。腫れが次第に強くなる場合や改善しない場合は、負荷の調整が必要な可能性があるため、担当医療者に伝えてください。
プログラムを監督なしで行ってもよいですか? ~ 回答 いいえ。この高度なプログラムには、血流制限トレーニングや等速性筋力検査など、専門家による監督が必要な技術が含まれています。自宅で自分だけで行ってよい内容については、必ず担当医療者の指示に従ってください。
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WellAlly編集チームが医学的にレビュー済み 最終レビュー日:2026年10月6日. · 編集方針を読む